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「うちの子防災」vol2~マニュアルでは教えてくれない。愛犬を守る術について~
投稿日:2017年01月07日

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「うちの子防災」vol2は、実際に震災を体験し、
且つ被災した多くの犬や猫たちの保護活動を5年以上続けている、
福島県のSORAアニマルシェルターの代表理事を務める二階堂さんに、スタッフ岩間が取材。
愛犬を守る術そして今からどんな準備をしておく必要があるかなど、実際の体験を基に
保護する立場から考えた災害時に必要なことをお話しいただきました。

保護する立場から考える、災害時に備えておきたいもの

災害時に、ドッグフードや水等って、人間と同様に必要じゃないですか。でもやはり、ワクチンでしょうか。日ごろからのワクチン接種とノミダニの駆除。それをしていないと、どうしても避難所に入るのも難しくなりますよね。保護をした時にノミとかダニとか沢山ついている子は一旦綺麗にする必要があり、シェルターに入れるのも大変でした。

あとは、消毒薬ですね。怪我をした時なんかはもちろん、例えば、もし避難所の皆が居るところで排泄をしてしまったとしても、飼い主さんが消毒までしているところを見れば周りの人も気持ちよく過ごせるだろうし。ドッグフードと一緒に、小さな携帯用の消毒なんかを備えておくと良いですね。人間も一緒に使えるものであれば、より便利です。

今、同行避難への理解も大分進んでいますが、少しの不備でその流れが全部なくなってしまうかもしれない。その為にも皆で徹底していきたいですね。


今でも大型犬など多くの被災犬がシェルター暮らしを余儀なくされている。

私たちのシェルターでは、ワクチン接種有無をとても重要視していました。もしワクチン接種していなくて、すでに犬パルボウイルス等に感染している子が一頭でもいたら、みんなダメになってしまうので。

でも実際、犬たちを保護をした当時はワクチンを打っているか、いないかなんて、わからない状況でした。なので仕方が無いから、保護した時にワクチンを全頭接種させました。していないで感染が広がってしまうより良いので。とにかくワクチンと消毒だけは、お金が無くても当初からやっていました。※犬パルボウイルス感染症とは、感染力が強く急死することもある。ワクチン接種での予防が有効。

災害時、どの様にして飼い犬を見つけるか

他のシェルターに引き渡すまでの一時預かりも含めて、一番多い時は、50頭の犬がSORAのシェルターに居ました。一時的預かりの子や飼い主さんが一所懸命探してくれた子なんかはまた元の家に戻っていきましたが、落ち着いてから飼い主さんのところに帰ったというのはほとんど無かったです。特に放浪していた子なんかは難しかったですね。

当時、迷子犬の探し方としては、行政がホームページで公開していたり、あとはボランティアで迷子犬・猫の冊子を作って役場とか避難所に配っていた方がいました。この子がこのシェルターに居るよ、といった感じで。それを見て、「うちの子かもしれない」と、SORAにくる方も居ましたね。

あとは、やはりマイクロチップをつけている子はすぐに見つかりました。動物病院で調べて貰って、マイクロチップの情報で飼い主さんが見つかって。それ以外の子は、首輪に迷子札等がついていたという子が誰もいなかったです。私が保護に行ったのは4月頃からだったので、既にそういった子が少なかったのかもしれないですが。
マイクロチップはこれから義務化になりそうなので、当たり前に皆がやっている社会になればよいと思います。

「つながり」が非常時の助けになる

もしもの時に備えて、まずは信頼できる人を近くに置いておくということですね。そして、隣の県でもいいから、県外にも信用できる人を作っておくこと。「もし私に何かあった時には、助けに来てね、あなたが大変な時は私が行くから」って言い合えるような人。

自然災害で大変な状況の中だと、もし自分が無事だとしても、「私は猫を助けに行きます!」なんて言えなくなる状況もあると思うんです。一般的には、やっぱり動物の助ける順序ってどうしても最後になりますよね。

だからこそ、飼っている人同士でしっかり助け合える様に日ごろからの関係づくりが大事だと思います。遠くの親戚等よりも、やっぱり動物を飼って、日ごろからその子のことを分かっている方が良いですね。例えば、もし今後SORAの里親さんの住む地域で災害が起きたら、SORAは絶対に助けに行くと思うんです。そういった繋がりが一番大切だと思います。

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災害時に備えてのトレーニングを愛犬に

近々、SORAで動物に関する勉強会等を開催するのですが、その時に災害時のトレーニングについてお話ししていただくことがあります。

例えば、非常時でも犬が平常心で、飼い主の後をついて歩ける様な簡単な練習方法についてなど。空のペットボトルを瓦礫に見立てて、ばーっと地面に散らして置いて、その上を犬に歩かせるんです。SORAの犬たちも事前にやってみましたよ。歩くとギシギシ鳴るので、はじめは嫌がっていたんですが、ちょっと練習したら出来る様になったんです。

ガレキの中って普段と違う環境なので、犬もなかなか歩かなくなってしまうのですよね。そうすると、避難できなくなってしまう。しかも、歩いて避難するとなると、クレートを持って歩くのなんてとても大変。

そんな時、飼い主さんも犬も「この子はちゃんと歩ける」ってわかっていれば、「大丈夫だから一緒に避難しよう」って思えるはずです。

右から2番目の女性が代表の二階堂さん

SORAアニマルシェルター
代表理事:二階堂 利枝
〒960-2261福島県福島市町庭坂字富山147-1
HP:http://sora.ne.jp/

編集後記

「つながり」が大切であると話してくれたSORAアニマルシェルターの二階堂さん。
2016年晩秋に訪問したSORAアニマルシェルターで、
まる1日お手伝いをさせて頂いただけでも、
私自身保護犬達に対する愛着を感じ、とても楽しく過ごすことが出来ました。
興味のある方がいましたら、是非まずは足を運んでみて頂きたいと思っています。
素晴らしい考えの代表者の方をはじめ、素敵なスタッフさんやボランティアさんに
囲まれた犬たちが更に幸せになれる様、
引き続き被災犬たちの応援をしていこうと強く思ったスタッフ岩間でした。
iwama
取材:通販部チーフ 岩間

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