6月の長野県塩尻市。
この日、塩尻駅に降り立ったのは、10名の盲導犬ユーザーと9頭の盲導犬。
そして、盲導犬サポートSHOPファンクラブの会員様。
盲導犬ユーザーと一般の方が一緒に楽しみ過ごす中で、盲導犬ユーザーへのお手伝いの方法も、自然に広まってほしい。
そんな思いで、皆で楽しめる2泊3日の体験型ツアーを開催しました。
皆さまも、ツアーに参加した気分で読んで頂けると嬉しいです。
歩いて、触って楽しむ「平出遺跡」
最初の訪問先「平出遺跡」は日本三大遺跡のひとつとも言われていて、当時の住居が復元された広大な敷地にあります。
まずは職員さんから説明を受けながら、この場で出土した土器や石器を触ります。
平出遺跡は、縄文~平安までの長い間人が生活していた、とても珍しい場所です。
色々な時期の土器や石器を順に触り手や指先でその作りを感じると、ユーザーの皆さんからも、楽しそうな感想が聞こえてきました。
「縄文時代より弥生時代の方が繊細な作りだ」
「こんなに昔なのに、現代の様なかたちの器もあるね!」
「刃物として使っていた石器、今触っても鋭利に感じるね。」
沢山の土器や石器を触った後には、復元された竪穴式住居を見学。
「入口がとても低いので気を付けてくださいね!」
という声かけの中、ユーザーの皆さんも腰をかがめて中に入っていきました。
「広さは四畳半くらいです。丁度顔の高さに木の棚があるので気を付けてくださいね。」
「なんだか焦げたような香りがするな。」
「壁に使われている木は真っ黒です。一度焼いている様ですね。」
広さや見た目を施設の方が言葉で説明すると、参加者の皆さんは興味津々。
旅の拠点は温泉宿
遺跡で沢山歩いた後は、旅の拠点となる宿へ移動します。
ガイド担当スタッフは、塩尻の歴史や由来について、そして周りに見える景色を言葉で伝え、バス内は楽しい雰囲気に。
ワイワイしている内に到着したのは、古民家や骨董家具がどこか懐かしい雰囲気の「薬師平 茜宿」。
食事の会場や大浴場、自分たちの部屋の場所等の位置を盲導犬ユーザーの皆さんにも分かりやすい様に、まずは皆で館内を歩いて回りました。
皆が再度集合したのは、夕食会場。
座敷の大部屋に、スタッフも盲導犬ユーザーもファンクラブの会員様も、もちろん盲導犬も大集合!
乾杯の前に、まずはどのお皿にどのようなお料理が入っているのか、お皿の位置を時計の針に見立てて説明が始まりました。
信州の新鮮な野菜や魚を使ったお料理の説明に期待を膨らませながら、お待ちかねの乾杯です!
食事が始まると、あちこちから楽しい話し声が聞こえてきます。
旅のことやお互いのこと、そして盲導犬のこと。美味しい食事やお酒を囲んだコミュニケーションは、皆が仲良くなれる一番の方法ですね♪
2日目はそば打ちから
2日目は、バスに揺られてそば打ちへ。
そばの名産である信州は、道中あちこちにそば畑があります。
そば打ち会場では、盲導犬ユーザーとファンクラブの方やスタッフが組になり、盲導犬は足元でしばし待機中。
混ぜて、こねて、伸ばして、切る。そば打ち名人達にレクチャーを受けながらのチャレンジです。
それぞれの行程がコツのいる作業です。
「手の平ではなく側面でこねるイメージでね」
「切る時は上に乗っている板を少しずらして、板に沿って包丁を下ろします!」
等と、特に難しいところは先生が盲導犬ユーザーへ手を添えてレクチャーする場面も。
そして一度感覚を掴むと、とっても作業の早いユーザーの皆さん。
最後はあっという間にお蕎麦が出来上がっていきました。
完成したら、待ちに待った昼食タイム!
信州の美味しい素材とお水を使って自分たちで打ったそばは最高に美味しく、食も進みます。
午後の行程は、「木曽漆器のコースターづくり」
漆を何度も塗られた板を研いでいくことで、模様が生まれていきます。
盲導犬ユーザーの皆さんも、コースターの端を手で確認しながら、無心で研ぎ出していました。
その後、特別にワイナリーの見学も行い、2日目の行程も終了。
最終日の様子は、後編に続きます。
盲導犬応援プロジェクトvol.9「楽しむ!」が盲導犬ウエルカムの輪を広げる!~後編~の記事はこちら。
テキスト:通販部リーダー 岩間