
前回の記事では、令和8年熊本地震をきっかけに、犬とのお出かけ情報を発信する「おでかけわんこ部」の取り組みをご紹介しました。
発災直後からペットの受け入れ先情報を発信できたのは、平時から情報が集まる仕組みが整っていたから。
そのお話を伺い、私たちも改めて「もしものときの備え」について考えるようになりました。
▼前回の記事はこちら▼
「おでかけ」の地図に、「もしも」の備えを
そこで今回、SNSで簡単なアンケートを実施し、フォロワーの皆さんに「ペットとの避難」についての今の考えを伺いました。
「災害が起きたとき、ペットとの避難先を決めていますか?」もし、あなたが今この質問をされたら、どう答えますか?
「一緒に行きたい」気持ちと、現実のギャップ
SNSでのアンケート結果はこちら。

「決めている」と答えた方は33%。一方で、「なんとなく考えている」「まだ決めていない」「考えたことがない」を合わせると、67%。
3人に2人が、まだ明確な答えを持っていないという結果でした。
もうひとつ、印象的なアンケート結果がありました。
「もし、自宅でペットと過ごせなくなったら?」という質問に対して、67%の方が「ペットと一緒に避難所へ」と回答しています。

多くの方が、ペットと離れずにいたいと考えていることがわかります。
私たちスタッフも、多くがペットと暮らしています。なので、このお気持ちは本当によくわかります。
一方で、次の質問。
「あなたの近くの避難所は、ペットと避難できるか知っていますか?」では、「調べたことがない」と答えた方が約3割(34%)。「同伴避難ができる」と即答できた方は、2割程度にとどまりました。

ただ、避難所へ「一緒に行きたい」気持ちと、「実際に一緒に過ごせるかどうか」は、実は別の問題なのです。
なぜなら、設備やルールによっては一緒に過ごせない避難所もあるからです。
同行避難と同伴避難、その違いを知っていますか?
「同行避難」・「同伴避難」
どちらもペットとの避難を指す言葉ですが、避難所内での過ごし方は、それぞれ異なります。
実際に、2つの言葉が混同され、飼い主さんを戸惑わせる場面があったようです。

■同行避難
飼い主が飼養しているペットを同行し、指定緊急避難場所等まで避難すること。ペットと共に移動を伴う避難行動をすることを指し、避難所等において飼い主がペットを同室で飼養管理することを意味するものではない。
■同伴避難
被災者が避難所でペットを飼養管理すること(状態)を指す。
ただし、同伴避難についても、指定避難所などで飼い主がペットを同室で飼養管理することを意味するものではなく、ペットの飼養環境は避難所等によって異なることに留意が必要である。
環境省「人とペットの災害対策ガイドライン」より
つまり、一緒に避難できると言われている場所であっても、飼い主とペットが一緒に過ごせるとは言い切れないのです。
避難所に到着したものの、一緒に避難できる施設ではなかった、という場合や、人とペットのスペースを分けて、屋外にケージスペースを設けるなど、避難所によって環境はさまざまです。
「避難先でペットとどう過ごすか」
これは、今回のアンケートで最も多くの方が知りたいと回答した項目でもありました(37%)。

だからこそ、事前に次のようなことを確認しておくと安心です。
お住まいの地域の避難所は、同行避難・同伴避難、それぞれ対応しているかケージや持参物の指定はあるか鳴き声や排泄など、飼い主自身で対応が求められる範囲はどこまでかこうした情報は、災害が起きてから調べるのはとても大変です。
お住まいの自治体のホームページなど、平時のうちに確認できる手段を、ぜひ活用してみてください。
ペットだけを避難させる、という選択肢
アンケートでは、「団体等の一時預かりを利用する」「知人・親戚に預ける」と回答した方も、合わせて約2割いらっしゃいました。
同行・同伴避難だけが選択肢ではありません。
状況によっては、ペットだけを安全な場所に預け、離れて過ごすという判断も、大切な選択肢のひとつです。
実際に、熊本地震や千葉豪雨で被害があった際、各都道府県の獣医師会が救護本部を設置し、ペットの一時預かりを行っているところもあります。
「一緒にいる」ことだけがすべてではなく、「ペットの安全を確保する」ための選択肢を、いくつか知っておくこと。
それも、もしものときの備えのひとつだと考えています。
今のうちに、一度確認してみませんか?
今回のアンケートを通じて見えてきたのは、「ペットと一緒にいたい」という気持ちを持つ方が多い一方で、その先にある「避難所での現実」については、まだあまり知る機会がないということでした。
前回ご紹介した「おでかけわんこ部」のアプリでは、今後、避難情報の全国掲載を目指されています。
また、お住まいの自治体のホームページから確認したり、すぐにアクセスできるようブックマークしておくこともひとつです。
もしものときに慌てないために、まずは、知ることからはじめてみませんか。
これからも、ペットたちの安心を守っていくために
私たちは、皆さまからのご支援を通じて、これまでにも福島にある被災動物の保護シェルターのサポートや、災害時には、動物たちのそばに立つ動物救護本部などへの寄付を続けてきました。
そして今回、災害時に困ってしまうペットと飼い主さんが少しでも減ってほしい、という願いを込めて、連載記事を企画しました。
こうした取り組みも「被災犬応援プロジェクト」へ集まった皆さまのご支援で行っています。
皆さまからのご支援が、災害で行き場を失った動物たちが次の一歩を踏み出すための、確かな力になります。
ぜひプロジェクトを通じて、一緒に犬たちの「もしも」を守ってください。
▼活動のご支援はこちら▼
被災犬応援プロジェクト

テキスト:岩間