2024年1月1日に発生した能登半島地震にて犠牲になられた方に、ご冥福をお祈り申し上げます。
また、被害に遭われた方、避難生活やライフラインの不便を強いられている全ての皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
(読了時間:5分程度)
本震から1か月以上が経ちましたが、被災地では未だ避難所で生活されている方も多く、ライフラインの復旧にも時間が掛かることなどから、生活が戻るには時間が掛かることが予想されています。
目の見えない見えにくい方たちにとっても、避難生活の長期化により日常生活はもちろん「外出」をしたい時に、このような困りごとが発生する可能性が考えられます。
そのような状況が予想される中、私たちに出来ることとして、以前より活動を行っている盲導犬ユーザーへのお手伝いの方法がわかる「声かけパンフ」の内容をより多くの方に知っていただくことが必要だと考えました。
記事をお読みいただき、必要な方に届くようシェアいただけるとうれしいです。
道の様子や環境が変わるとなぜ困ることがあるの?
盲導犬ユーザーが目的地に行く際、出掛ける前に地図を自分の頭の中に入れます。
そして、盲導犬が教えてくれる情報と頭の中の地図で答え合わせをしながら歩くのです。
(あるユーザーより)
そのため、道路状況が変わると自分が居る場所が分からなくなってしまったり、慣れない場所では一から道を覚えなければいけないため、道に迷いやすくなってしまう可能性があります。
他にも、困る状況はさまざま!
また、「待ち合わせをしているけど、ここで待っていて他の方の邪魔にならないか」と知りたかったというケースもありました。
そこで、皆さまにお願いです。
盲導犬ユーザーを見掛けたら「お手伝いが必要かな?」という気持ちで見守ってください。
お困りの様子だったら「お手伝いしましょうか?」の声掛けをお願いします。
声掛けは盲導犬ユーザーへ。
お仕事中の盲導犬は、話し掛けたり目を合わせたりなど気を逸らせてしまうと盲導犬ユーザーが危険になることも。
盲導犬ユーザーの横から声を掛けてください。
真後ろなど、盲導犬ユーザーの体の向きが変わる方向から声を掛けると、進行方向が分からなくなってしまいます。
最初の一言は「盲導犬を連れた方、お手伝いしましょうか?」
声を掛けた時に、盲導犬ユーザーが気付かなかったということも。
このように伝えると、本人にも分かりやすいです。
手やハーネスは掴まないようお願いします。
驚いたりバランスが取れなくなることがあり、危険が伴うこともあります。
誘導をお願いされたら?
目の見える方が、見えない、見えにくい方を誘導して歩く方法を「手引き誘導」と言います。
まずは、肘や肩を持ってもらうなど、やりやすい方法を盲導犬ユーザーご本人に聞いてください。
状況を声に出しながら歩くと安全です。
このように、道の状況を伝えながら盲導犬ユーザーの速度に合わせて誘導をお願いします。
また、階段や縁石などの段差の前では一度止まり、声を掛けてから歩いていただくと安全です。
お手伝いが終わったら
「では、ここで失礼します。」と声を掛けてください。
「お礼を言いたかったのに、相手が居なくて残念だった」という盲導犬ユーザーの声もありました。
こんな時は…?
お手伝いの流れは分かったけど、やっぱり声を掛けるのはちょっと勇気がいる…という声もよく聞きます。
そこで、私たちがよく聞くお悩みを2つご紹介します。
「お手伝いはいらない」と言われるかも?
人を待っているだけだったり、知っている道だったり、お手伝いがいらない場合もあります。
そんな時は「お気をつけて!」と見送って、引き続き声掛けの気持ちを持っていただけるとうれしいです。
実際にスタッフが道でお声掛けした際にも、「すぐそこだから大丈夫」とお断りいただいたこともありました。
お手伝いができるか不安…
ご自身も知らない場所だったり、急いでいたりなど、最後までお手伝いができない場合もあります。
そんな時は、今できるお手伝いを伝えていただければ大丈夫です。
あたたかい見守りと声掛け、よろしくお願いいたします。
被災地では皆が大変な時ではありますが、お一人お一人がお手伝いの方法を知ってくださることが、盲導犬ユーザーにとっての安心安全につながります。
また、私たちは日頃からお手伝いの声掛けの必要性を広めています。
街で盲導犬ユーザーを見掛けた時には、見守りと「お手伝いしましょうか。」の声掛けをよろしくお願いいたします。
テキスト:法人営業部マネージャー 岩間