藤巻亮太さん~ボランティアとは、自分ができる事をやっていく事、そして多くの人に発信する事。
投稿日:2019年07月21日

藤巻亮太さんから盲導犬応援メッセージをいただきました。

ボランティア活動のきっかけ

東日本大震災発生から約1ヶ月後、被災地への炊き出しを行う機会があったので、ぼくもぜひ参加させてもらいたいと思い、女川町(宮城県)の避難所に行きました。

そうしたら、避難所にいた一人の方がぼくに気づき、「何か歌ってください」と仰ったのです。
津波で流された船が、まだ街中にあるような状況で、歌を歌っていいのだろうかと正直戸惑ったのですが、被災された方が望むならと思い、「3月9日」(※レミオロメンの大ヒット曲)を歌わせていただきました。
皆さん、非常に疲れている様子だったのですが、避難所の玄関先で「3月9日」を歌っているぼくの周りに、次第に人が集まり、静かに聴いてくださいました。

その時の体験が、ぼくにとって非常に大きな出来事となりましたね。
「一度きりではなく、今後も自分のできる事で、何かをしたい」と、心の奥底から強く思ったのです。それ以降、月1回のペースで被災地をまわり、物資と一緒に歌も届けるという「歌の炊き出し」スタイルで、ボランティア活動を始めるようになりました。

大の犬好きという藤巻さん。ハーネスを外した盲導犬アリエルを優しくなでてくれました。

相手が望む事と自分ができる事との接点探し

大したことはできなくても、まずは自分のできることを探して、行動に移す。ぼくの場合は、それが「歌」だったのです。

でもボランティア活動を始めた当初は、「相手の方が何を望んでいるのか」、「ぼくはそれに対して何ができるのか」という、この接点を探す事が難しかったですね。震災から1ヶ月、3ヶ月、半年と時間が経っていくと、被災地が必要としているものが、当然のように変化していく。それを読み取る力の必要性を感じました。

またアルピニストの野口健さんと一緒に、熊本地震の時は益城町でテント村の設置を行ったり、西日本豪雨では、岡山県総社市に赴いて、瓦礫の撤去活動などをさせていただきました。

これらの活動を通して感じたことは、自分ができることでボランティアを行い、そして現場で見た事、感じた事を多くの人に発信する。これが、ぼくにとって、ボランティア活動を継続していく大きなモチベーションに繋がっているということです。

アリエルのしっぽブンブン攻撃もしっかりあびました。

暗闇での体験から感じた、声かけの大切さ

実は「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」(※光が遮断された空間で、チームで対話し、行動するエンターテイメント)に何度か参加した事があるのですが、その時、自分がどこに向かっているのか、足元に何があるのかもわからない、真っ暗な世界の怖さを体験しました。その体験を通して、色々と考えるようになりましたね。

例えば新宿駅で電車に乗ろうと思っても、すごい人混みと四方八方から色んな音が渦巻く中、自分が乗りたい電車のアナウンスを聞き取ることはとても難しいだろうなって。だからこそ、お手伝いの声かけが大切なんですよね。

今日、盲導犬ユーザーへのお手伝い方法がわかる「声かけパンフ」を読んでみて、非常に勉強になりました。
もし視覚に障がいがある方を見かけたら、「何かお手伝いをしましょうか」と、まずは声をかけてみる。そして、その方が今、何に困っているのかを聞いて、自分ができる事との接点を探す。まさに、被災地に行って感じた事とと同じですね。

ただ、声かけ方法はもちろん、盲導犬がユーザーにとって、大切なバディ(相棒)である事を知らない人も多いいます。盲導犬ユーザーの鈴木さんから聞いたお話などを今後、ぼくは発信していきたいです。

取材に同行頂いた盲導犬アリエルのユーザー、鈴木加奈子さんと記念撮影。彼女もプロのトロンボーン奏者として活躍するミュージシャンなので、初対面とは思えないほど、おしゃべりに花が咲いていました。

プロフィール


1980年生まれ。山梨県笛吹市出身。2003年にレミオロメンの一員としてメジャーデビューし、「3月9日」「粉雪」など数々のヒット曲を世に送り出す。2012年、レミオロメンが活動休止を発表、ソロ活動を開始する。同年、1stソロアルバム「オオカミ青年」を発表。以降も精力的にソロ活動を展開し、2016年、2ndアルバム「日日是好日」をリリース。2017年には3rdアルバム「北極星」を発表。2019年4月、レミオロメン時代の曲を、アコースティック中心のアレンジでセルフカバーしたアルバム「RYOTA FUJIMAKI Acoustic Recordings 2000-2010」をリリースし、弾き語り全国ツアー”In the beginning”を開催。2019年9月29日、自身主催の野外音楽フェス「Mt.FUJIMAKI2019」を、山中湖交流プラザきららにて開催する。

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藤巻亮太主催野外音楽フェス「Mt. FUJIMAKI 2019」

出演:藤巻亮太 with the BAND、トータス松本(ウルフルズ)、曽我部恵一(サニーデイ・サービス)、岸田 繁(くるり)、ORANGE RANGE、大塚 愛、teto
日時:9月29日(日)開場12:00 開演 13:00 終演 17:00(予定)
※雨天決行・荒天中止
会場:山中湖交流プラザ きらら
料金:前売り 6,500円(税込) 中学生以下無料(保護者同伴に限る)
お問い合わせ:サンライズプロモーション東京 0570-00-3337
「Mt. FUJIMAKI 2019」公式HPはこちら

インタビューを終えて取材後記

取材冒頭に藤巻さんが仰った一言は、「今日は、盲導犬について色々と学ばせてください」でした。

まさにその言葉通り、盲導犬ユーザーの鈴木加奈子さんに「どんな風に声をかけたらいいのですか?」「一番、声をかけてほしい場所は、どういう所ですか?」など、具体的なお手伝いの方法を次々と質問し、その都度「それは多くの人に伝えないと」と、藤巻さん自身の心に刻み込んでいるようでした。

藤巻さんにとってのボランティアとは、「自分ができる事を探して、行動に移す事」。それは、私たち盲導犬総合支援センターのスローガンでもある「みつけた!私にできること」と同じです。
東日本大震災以来、自分ができる事は何だろうと常に模索し続けながらも、他者への関わりを心の底から大切にしている藤巻さん。そのお人柄に、スタッフ全員、心惹かれました。

chiaki
取材:デザイナー セツサチアキ

声かけのお手伝いを広める「盲導犬応援プロジェクト」とは?

盲導犬ユーザーへのお手伝い方法がわかる「声かけパンフ」の制作・配布活動など、盲導犬に優しい街作りの応援につながるプロジェクトです。詳しくは、こちらをご覧ください。

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