つながる!盲導犬応援の輪vol.3 JAMMIN合同会社~インタビュー編~
投稿日:2018年07月05日

タイトル「つながる盲導犬応援の輪!jammin

様々な社会問題を解決しようと活動するNPOを、ファッションから支えようと、通販を中心にTシャツ等のアパレルグッズを販売しているチャリティーブランドJAMMIN。
毎週違ったNPO団体を紹介し、その団体の活動から生まれたデザインのTシャツやパーカーを販売、売上の一部(Tシャツであれば一枚あたり700円)を、紹介したNPO団体に寄付し、運営しています。
沢山の人に色々な社会問題を知って貰い、若い方にもどんどんチャリティーに関心を持って欲しいと活動する、JAMMIN代表の西田太一様にお話しを伺いました。

スリランカでの出会いが全ての原動力。

エルくんのマスコットを手に笑顔の西田さん

この仕事を始めた一番の原動力は、大学時代のスリランカでの経験です。
理工学部で勉強をしていましたが、高校から続けていたDJに熱中していて、夜型の生活だったのでなかなか学校に行かない様な学生でした。
しかし、四回生の時にたまたま行った研究室のテーマが、途上国の水問題の研究。
先生から、現地に行かないと論文が書けないから卒業出来ないと言われ、夏休みの2か月間、僕がたまたま行ったのがスリランカ。そこには、テレビで見ていた「貧困」が目の前にありました。地元の人を尋ねると、「腹壊すんちゃいますか」というようなミルクティーの様な水を「どうぞ」って出されて、それが衝撃でした。

ただ、当時は水を勉強していたので、それをきれいにするのってそんなに難しくないことを僕は知っていました。
砂でろ過して、殺菌処理するだけで、技術としては大したことではないんです。
でも、それが出来ない現状がそこにはあった。
そんな状況なので、「僕でも一日居ったら役に立つんちゃうか。」と直感で思いました。

「ザルに砂利貯めて水をろ過して、煮沸して…。そしたらきれいな水でお腹壊さんで人も死なんで、いいやん。雨期乾期がある地域なので、カメ作ったらいいやん。この村100人の水くらいやったら僕でも貯められるな。」と実感したのが一番の原動力です。

貧しくても皆活き活き生きているスリランカの皆さんの姿に魅了されて、そのまま大学院まで勉強しました。

一週間でデザインを変えるアパレルのカタチ

今の活動のカタチが生まれたのは、会社時代の勉強会です。
大学院を卒業すると、開発コンサルタントに就職しました。
ミャンマーの街づくりを担当し、日々途上国に関わって仕事をしていたのですが、こういった仕事は完成するのに10年も20年もかかります。
現地に行っても、ぼくたちはきれいなホテルに泊まってごはんもしっかり頂いて、でもホテルから一歩外に出ると、路上で生活している人が沢山いる。
「まずこの人たちをどうにかせなあかんのに…。」と、やりたいこととのギャップを感じました。
椅子に座って話す西田さん

父が自営業ということもあり、いずれは独立しようと思っていたので、社会と関わりながらちゃんと食べていかれるビジネスを模索していました。
僕はもともと現地に行って井戸を掘りたかったんです。途上国の人のきれいな水を作るために、僕らはどんな仕事をすればよいか、ずっと考えていました。
でも、そういった活動をされている国やNPOは沢山あるんですよね。そこに僕らが入っていって、さらに良いものが出来るかと言ったら、なかなか難しいと感じました。

そこでもうちょっと俯瞰して見た時に、世の中にはもっと色んな問題があって、もっと色んな活動をされている方たちが居て、その人たちってまだまだ社会的な認知が低かったり、お給料が少なかったり、ボランティアが当たり前っていう風潮があることに気付き、ここに関して、僕たちにも出来ることがあるのではないかと思いました。

そこで、社会問題の為に活動する沢山の団体を紹介し、沢山の人に参加してもらう仕組みを作ろう、と模索して出来たのが今のビジネスモデルです。
NPO等の団体のお話を聞き、アパレルのデザインに落とし込み、記事と一緒に紹介し1週間限定で販売。売上の一部を紹介した団体へ寄付しています。

≪JAMMINスライドを挿入≫

スタートをTシャツにしたのは、プリントを変えることで比較的簡単にメッセージを変えられるからです。
Tシャツって、持っていない人はいないじゃないですか。絶対に誰もが持っているもので、デザインも細かく変えられます。
「変えられること」「自分たちでできること」これを意識して商材を選びました。

最初の一歩の苦労

チャリティー先のNPO団体は、ぼくたちがひとつひと問い合わせをしながら探しています。
ただ、最初は断られました。
僕らも始めたばかりで、実績も無く「誰やねん、お前ら信用して大丈夫か。」という雰囲気で。そりゃ、そうですよね。
そんな中「テラ・ルネッサンス」というアフリカの元子供兵の社会復帰を支援されている団体が京都にあり、ご縁があって取組みが出来ることになりました。
その団体が業界では有名だったこともあり、信用を得ることができたのでその後はあまり断られることは無くなりました。

団体の色はいれない。そこから生まれる新たなムーブメント

デザインを作る時には、インタビューでの雰囲気も元にしています。キーワード、伝えたいこと、モチーフ等を聞き、団体の担当の方の雰囲気とか、支援者さんの層等を元に、デザインを作っていきます。

つばめをモチーフにした野鳥の会のデザイン

3案提案していて、そのどれもテイストを変える様にしています。
デザインの提案も、最初は苦労しました。「可愛い」とか「スタイリッシュ」の価値観が違いすぎて(笑)。
ぼくたちも少しずつ提案の仕方になれてきましたが、女性の「カワイイ」は難しいですね。

デザインについては、出来る限りチャリティー感は無くしています。また、団体の色も出来る限りなくすため、団体名もあえて入れません。
その団体の支援者さんだけでなく、そうでない人たちに知って貰うことが僕たちの役割だと思っているからです。
猫の保護団体のデザイン。黒猫がモチーフ

「見てるだけ応援」の方が「買う応援」に一歩踏み出してくれる

チャリティー先の団体さんの感想では、今まで会員ではなかったけど、フェイスブック見てくれている方とか、イベントにたまにきてくれる方、そういう方が、買ってくれたよ!という声は多いです。
コアな応援者のもう一つ外に居る方たちが、「自分のTシャツにもなるし、チャリティーにもなるし」っていうことで「買う応援」に踏み出してくれる様です。

自分自身、毎週出会える世界にワクワク

毎週扱うテーマを変えるのは、僕たち自身も楽しいですね。
今までで200以上の団体を紹介してきましたが、知らない問題だったり、想いを知って、こっちも奮い立たされて、僕たち自身がずっと勉強させて貰っています。
活動に対する熱も伝えるため、出来る限り創設者や代表の方にインタビューをお願いしています。

ニッチなテーマを取り上げることも、意識してやっています。
CSR(企業の社会的責任)が当たり前になってきていますが、でも大体テーマが「環境」「こども」「教育」「動物」。このあたりって誰も文句言わないんですよね。だから、大手企業も取り組みやすい。
でも、「引きこもり」とか「ホームレス」とか「LGBT」とかそういうのって賛否両論があって、企業のCSRとしてチャリティーはしにくいじゃないですか。
でもそういう問題って現実としてあって、それを何とかしようとする人たちがいて、当事者もいる。ぼくたちは大手が出来ないようなテーマをやろう、と思っています。
JAMMINのお客様からも賛否両論ある時はありますが、でもぼくたちは一週間限定で小回りが利く分、そこは大切にしています。

サポートSHOPで取り扱う、3種のTシャツが並ぶ
左から、Lovefive、パートナードッグタウン、補助犬情報センターのデザイン。

自分たちに出来ることを増やしていきたい。

JAMMINの活動は、僕たち自身が出来ることをやっているだけなんですよね。
文章書くのが得意。デザインができる。営業して広めていくことができる。それぞれがやれることをやっている、そうして輪がどんどん広がっていけば面白いかなと思っています。
「私は私にできることをしているだけ」これがぼくたちのメッセージですね。

お客さんに対しても同じで、例えば、持っているTシャツのうち一枚をJAMMINのに替えてほしい。それで良いと思っています。
そうやって気軽に参加して欲しいから、クオリティーを落とさず、価格も上げず、でもチャリティーにする。そのチャリティー分をどう捻出するかは、ぼくたちの工夫次第です。

夢は「普段使うものでチャリティー」と「障がい者の雇用の場」

今はTシャツ等のアパレルだけですが、もっと商品を増やしていきたいです。
理想はビールです。自分もお酒好きなので、ビール毎日飲んでるだけでチャリティーになっていたら理想だと思います(笑)。
Tシャツの様に、「変えられること」でも「価格は一般的な価格のまま」。
チャリティーをどう捻出するのかがぼくらの腕の見せどころ。そんな商品をどんどん増やしていきたいです。

もう一つ、障がい者の雇用の場を作りたいと思っています。
今Tシャツを作って頂いている工場の娘さんが、ダウン症なんです。この春高校を卒業して社会に出たのですが、現実は厳しくて。社長が心配しているのは、自分が居なくなった後のこと。そこで、雇用の場を捻出出来ればと思っています。

例えば今のTシャツの縫製工場を、障がい者雇用の場に出来ないかと思っています。本当に一人二人かもしれないですけど…。
今はアパレルだけですが、これが飲食だったりお菓子だったり。今のTシャツの仕組みを色々な分野へ広げて、その生産過程に、障がい者の方が出来ることを加えていったら面白いなぁ、と思っています。

JAMMINスタッフの皆さんと支援センタースタッフ

編集後記

「私は、私に出来ることをしているだけ。」
JAMMINさんの活動のテーマにもなっているこのフレーズは、南米のアンデス地方に伝わる、「ハチドリのしずく」というお話の一節です。
伺って一番に感じたことは、「私たちと同じ想いを持って活動している方たちがいる!」という嬉しさでした。
一人ひとりが出来ることを出来るかたちでしていくことで、みんながあと少しずつ暮らしやすくなったら、きっと沢山の人が今よりあと少しずつ幸せになれるはず。
そのために、私たちも、もっともっと「できること」を増やして活動していきたいと刺激を頂いたスタッフ岩間でした。
通販部リーダー 岩間
テキスト:通販部リーダー 岩間

JAMMINさんでのTシャツづくり体験の記事はこちら

会社情報

JAMMIN合同会社
代表 西田太一
〒610-0343
京都府京田辺市大住池ノ谷45-1
TEL:0774-27-4700
HP :https://jammin.co.jp/
盲導犬総合支援センターとの主な取り組み:
JAMMINデザインのTシャツ、バッグを盲導犬サポートSHOPにて取り扱い
盲導犬サポートSHOPでの取り扱いはこちら(ページ作成中の為未リンク)

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