盲導犬ユーザーが盲導犬と歩くことで出会えた嬉しかったこと、胸が熱くなったことを小さな物語にしました。
第2話は、盲導犬ユーザー、鈴木加奈子さんと盲導犬アリエルのお話。
20代半ばで視力を失ったことがきっかけで、盲導犬と歩き始めた鈴木加奈子さん。現在はトロンボーンソリストとして、パートナーのアリエルと一緒に全国で演奏活動を行っています。今回は、そんな鈴木さんとアリエルの小さな物語です。
私の名前はアリエル。ある冬の日、お姉さんは朝からオシャレしてウキウキしていたわ。それもそのはず。今日は、前から行きたかったショッピングセンターへお出かけする日。もちろん事前にインターネットで行き方もチェックして、いざ出発!
ところが最寄り駅から徒歩5分で到着の予定が、気づくと1時間もウロウロ。「アリエル、ごめんね。迷っちゃった。」そう謝りながらハーネスを握るお姉さんの手は、寒さで真っ赤。
そんな時、聞こえてきたの。何人かでおしゃべりする声が!「すみません、ショッピングセンターへの道を教えてもらえますか?」
声がする方に向かってお姉さんが尋ねると、一人のお兄さんがこう答えてくれたのよ。「わかりずらいから、案内しますよ。」と。
お兄さんに手引きをしてもらいながら、「歩く速さは、大丈夫ですか」「地元なので、この辺のグルメ情報を教えますよ」など、おしゃべりに花が咲き、気づくと目的地に無事到着!
「お友達と一緒だったのに、ありがとうございます」と、お姉さんがお礼を告げると、
「大丈夫ですよ。ちょうど成人式が終わって、次の予定まで時間が空いていたから。」そう、今日は成人の日。落ち着いた声だったから、お姉さんはてっきり自分よりも年上の男性だと思っていたらしく、びっくり!
こんなステキな二十歳の若者に出会えた今日の出来事をお姉さんも私もずっと忘れないよね。
1口1,000円で参加できる盲導犬応援プロジェクトは、盲導犬ユーザーへのお手伝い方法がわかる「声かけパンフ」の制作及び配布活動の支援につながります。
お手伝いの声かけがもっともっと広がっていく為にご協力よろしくお願いします。
盲導犬応援プロジェクトの応援方法はこちら。
絵とお話:デザイナー セツサチアキ