雅姫さん~看取りを経験したからこそ、大切にしたい犬との暮らし
投稿日:2017年07月05日


雅姫(まさき)さんから、素敵な盲導犬応援メッセージを頂きました!

初めての大型犬との暮らしは子育てと同時進行

私の中でラブラドール・レトリーバー=「賢い犬」それと「盲導犬」というイメージがあったので、いつか犬と暮らすならラブラドールがいいと、昔から決めていました。そして結婚を機に、念願だったラブラドール、しかもイエローラブとブラックラブを同時に2頭家族として迎えました。名前は、イエローラブがモリラ。ブラックラブがグレゴリー。

その1年後に娘のゆららが生まれ、子育てと大型犬との暮らしを同時進行させる毎日でしたね。でもそんな慌ただしい時期もあっという間に過ぎて、子育てが一段落したなって思った時、ふと気付くと犬たちはすでにシニア期。

それからは、デジカメで犬たちの写真をいっぱい撮って、形に残すようにしました。当時はスマホやSNSもなかったので、犬に関する情報は限られていましたが、それでも常に私の生活の中に犬が寄り添っているというかんじでした。


ハーネスを外した盲導犬エリンと内緒話を楽しむ雅姫さん

17歳4カ月で虹の橋を渡ったグレゴリー

周囲から大型犬の介護は大変と言われていましたが、ブラックラブのグレゴリーはシニアになっても、全く手がかからず、自分で踏ん張ってご飯を食べていました。ただ亡くなる前日、今までほとんど吠えたことがないのに、突然ものすごく鳴いたのです。どこか痛いのかと思って、動物病院で急きょ検査をしましたが、特に悪いところも見つからず….。

結局、そのまま家に連れて帰ったら、翌日自宅で息をひきとりました。17歳4カ月でした。「たくさん鳴いたのは、みなさんに最後のお話をしたかったのかもしれませんね」と獣医さんに言われた時は、涙がどっとあふれ出ました。でも家族みんなでグレゴリーの最期を自宅で看取れたことは、本当に良かったと思います。「今までありがとう」の気持ちを込めて、笑顔でお別れができました。

多頭飼い暮らしの魅力

グレゴリーが長生きした理由のひとつとして、モリラの後にやってきた2頭のトイプードル(モグラとピカソ)の影響もあるかもしれませんね。元気の源になったというか。みんなで一緒に散歩する時も、グレゴリーは負けるものかというかんじで、若い小型犬についてきていましたから(笑)。

また、1頭だけのお留守番だとずっと寝ているだけの単調な生活になりがちですが、モグラとピカソがいるおかげで、それなりの刺激があったこともよかったのかもしれません。そういう意味でも多頭飼い暮らしって、楽しいですね。

雅姫さんの愛犬、トイプードルのモグラくん。

もし犬と暮らしていなかったら

グレゴリーたちと出会わなかったら、自分の性格も全然違っていたかもしれないですね。「雅姫さんって男前ですね」って言われると、それってラブラドールのおかげかもって思ってしまいます(笑)。多少のことは気にならなくなるし、どうにかなるさっていう考え方になったような気がします。

犬は全てを包み込んでくれる

先代のラブラドール2頭が子犬の時はそれこそ慌ただしい毎日でしたが、10歳過ぎてからは、犬との暮らしを一言で表すと「癒し」という言葉がぴったり当てはまりました。

辛いことがあった時や仕事で疲れた時も、犬っていつもしっぽをふって無条件に出迎えてくれるでしょ。まさに家族それぞれの悩みや愚痴を聞いて、全部包みこんでくれる存在ですね。もしうちの犬たちが人間の言葉を喋れたら、何でも知っていて大変なことになるくらい(笑)。

そしてある日家に帰ると、知らない犬が!?

モリラそしてグレゴリーを看取った後、もう一度大型犬と暮らす予定は私の中ではありませんでした。子育ても終わり、仕事も落ち着いてきたので、ここからはのんびり自分の時間を持ちながら、2頭のトイプードルと暮らしていこうと考えていました。

ところが、ある日家に帰ると、娘のゆららの部屋にいたんです。4カ月のチョコレートのラブラドールが(笑)。最初の飼い主から見放され、次の家でも無理だと言われ、飼い主がなかなか決まらないその子犬を、娘が連れて帰ってきちゃったんです。「うちはラブラドールと暮らしたことがあるし、パパとママなら大丈夫だろう」という理由で。正直、「え~!」ってかんじですよ。

世話係はきっと私になるから、また子育てが20年ぶりに始まるのか!?って、涙が出そうになりました。しかも自分で選んだ犬じゃないので、なんだかよその子のように見えて、申し訳ないけど、その時はあんまり可愛いと思えなかったかも(笑)。今はもう大切な家族の一員ですけど、あの時点では全く想像ができませんでしたね。

ちゃかちゃかしたトイプードル2頭だけでもてんやわんやなのに、もっとちゃかちゃかした4カ月のラブラドールが加わったら、どうなってしまうの!?ってかんじで。

家族の一員になっばかりの4カ月のヴォルス君とピカソ君、モグラ君。

新しい家族、チョコラブのヴォルス

こんな風に、あまりにも突然すぎて、全てにおいて心の準備ができていませんでした。すると主人が言った一言が「うちがダメだったら、この子はまた何件もの家を転々とすることになるな」。全く自分は面倒をみないのにね(笑)。そこで私も「じゃあ、誰が世話をするの?」って主人に聞くと、「ゆららにさせる」って。でも一番先に家に帰ってくるのはいつも私だから、帰宅した時、家の中でウンチされていたら誰が拾うのよってもう一度聞くと、「ゆららが帰ってきてから、拾わせればいいって」。そんなわけにいかないでしょ!(笑)結局そのまま我が家の犬になりました。これが、現在2歳になったチョコラブ、ヴォルスとの出会いです。
いざ一緒にヴォルスと暮らしてみると、毎日、珍事件の連続!訓練所で育ったグレゴリーやモリラと違って、とにかく元気すぎて。体重も今では34キロ!それでもやっぱり楽しいですね。ある意味、メリハリがあって。

雅姫さんの大切な家族たち。大きさは違っても3頭仲良くお散歩♪

盲導犬ユーザーの方とお話してみて、学んだこと

保護犬の問題などはテレビ番組で取り上げられることが多いんですが、盲導犬支援に関しては正直、別世界というか、自分にとって身近な話という感じが今までしていなかったですね。でも今回、盲導犬ユーザーの三宅さんとお話をして、色々な事が勉強になりました。盲導犬はカーナビではないこと、やっぱり周囲からのお手伝いがユーザーさんにとって、大きな安心につながることなど。とにかく盲導犬ユーザーの皆さんが安全に歩けるためにも、声かけのお手伝いが必要であることをどんどん発信していかないとだめですよね。例えば、コンビニにポスターを貼ってもらうとか、声かけのお手伝いのアナウンスをする駅をもっと増やすとか。またお買い物をすることで支援につながるという、盲導犬サポートSHOPのチャリティーグッズの存在も、お友達を通して最近知ったばかりです。このような盲導犬支援活動をどうやったら、もっと多くの人に知ってもらえるのか、そして私ができる盲導犬の応援方法って何だろうかって、今後じっくり考えてみたいと思います。

盲導犬応援メッセージ動画撮影のオフショット。ひとつひとつ言葉を選びながら、盲導犬についてご自身が感じたことをお話してくれました。


盲導犬ユーザーの三宅さんと声かけのお手伝い方法について話題が尽きない雅姫さん。

プロフィール


1972年秋田県出身。モデルとして雑誌、CMで活躍するほか、東京・自由が丘に着心地のよい大人のためのカジュアル服の店「ハグ オー ワー」と、暮らしを彩る衣食住を提案する「クロス&クロス」の2店舗をプロデュースし、自らデザイナーも務める。暮らしの教科書「SENS de MASAKI」をはじめインテリアやワードローブなどライフスタイルを紹介する著書も多数。

雅姫さんのインスタグラム @mogurapicasso

雅姫さん責任編集のセンスを磨く暮らしの教科書 「SENS de MASAKI」の公式インスタグラム @sensdemasaki

雅姫さんがプロデュース兼デザイナーも務める「ハグ オー ワー」。http://www.hugowar.com/

インタビューを終えて取材後記

盲導犬総合支援センターには「みつけた!私にできること」というスローガンがあります。
今回の取材は、まさにその言葉そのものでした。
インタビューの後半からは同行した盲導犬ユーザーの三宅さんに、雅姫さんが色んな質問をするという嬉しい展開。

盲導犬と歩くことでどんな喜びが生まれたのか、そしてユーザーの皆さんが安全に盲導犬と歩いていくために、自分はどんなお手伝いをしたらいいのかなど。

ガーデニングやお料理、そして愛犬との暮らし等、素敵なライフスタイルを提案している雅姫さんが、今回の取材を機に盲導犬の応援という新しい関心を見つけてくれた♪と感じられる取材でした。
chiaki
取材:デザイナー セツサチアキ

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