まだまだお伝えしたい!サポート活動について
5月8日・15日の2週に渡り、TBSラジオ「明日へのエール~ことばにのせて~」にて、盲導犬総合支援センターの活動が紹介されました。
その中で、「盲導犬ユーザーと盲導犬へ向けたサポート活動」について取り上げられましたが、ラジオでお話しできたのはほんの一部です。
今日は、更に深く掘り下げて、
・利用者情報の蓄積と活用
・盲導犬ユーザーの視点に立った梱包
・犬グッズのカスタマイズや開発
・情報発信の工夫
こちらの4つについて、お話していきたいと思います。
利用者情報の蓄積と活用
私たちは、全国の盲導犬ユーザー、そして育成に関わるボランティアの皆さまの、安心・安全な犬たちとの暮らしをサポートするため、ドッグフードや犬グッズを安価で、便利に購入できるようにしています。
ご利用いただいている盲導犬ユーザー・ボランティアの数は、全部でなんと2104名!(2021年5月現在)
その全ての利用者情報をスタッフ間で共有しています。
・一緒に暮らしている犬の情報(生年月日・体重・服のサイズ)
・使用しているドッグフード
・よく購入される犬グッズ
・服の採寸情報(袖・胴の長さ、裾ゴムの調整など)
そのためお電話でお名前を言っていただくだけで、スムーズに必要なドッグフードや消耗品のご案内が可能です。
また、メーカーの急な欠品や災害など有事の際にも安定してお届けできるよう、配送倉庫には、購入履歴をもとに約1.5か月分のドッグフードを保管しており、犬との生活におけるライフラインの役割を果たしています。
盲導犬ユーザーの視点に立った梱包
スムーズな注文のあとは出荷準備です。盲導犬ユーザーの皆さまに分かりやすいよう、次のような工夫をしています。
・スプレーボトルなど、形が似ていて中身が違うものは、片方に輪ゴムをつけることで触って分かりやすく
・細かいものはひとつの袋にまとめ、段ボールの中を探す手間を省く
・ごみの処分に困らないよう、かさばる段ボールではなく、ビニール袋を使用
ちょっとした工夫ですが、盲導犬ユーザーの視点にたった分かりやすい梱包方法を心がけることで、手元に届いた際にもストレスなく使用していただけます。
犬グッズのカスタマイズや開発
私たちには、チャリティーグッズの開発・販売を通じて培った、数百のメーカーとのつながりがあります。
そのつながりを活かし、盲導犬との生活がより便利に、豊かになる犬グッズ開発を行っています。
過去にはこのような犬グッズを開発しました。
レインコート
盲導犬は、公共交通機関やお店など、どこでも入ることができます。
その為、盲導犬ユーザーの多くがとても気を遣うのが、盲導犬の衛生管理です。
雨の日にお店等に入る時には、自分の傘のしずくや靴の泥を落とすのと同じように、盲導犬のレインコートを脱がせ、体を拭きます。
しかし市販のレインコートは、マントタイプで足がカバーされていないものや、お腹側が開いているものがほとんどで、盲導犬がびしょ濡れになってしまうと、体を拭くのも大変です。
そこで私たちは、盲導犬訓練士への意見収集・メーカーとの調整を行い、試作を重ねながら「濡れない」と「安全」に徹底的にこだわった犬用レインコートを開発しました。
雨の侵入を防ぐ為、できるだけ身体にフィットするような加工を施したり、生地色、反射材により夜道を安全に歩けるよう工夫を行いました。
暑さ対策グッズ
盲導犬ユーザーに限らず、犬と暮らす人たちの多くは、夏の暑さ対策に試行錯誤しています。
しかし、大型犬用の暑さ対策グッズは種類も少ないため、犬用ベッドなどのチャリティーグッズを制作しているメーカーと共同で、保冷剤を入れて首回りを冷やせるスヌードや、持ち運びにも便利な接触冷感マットを開発しました。
盲導犬ユーザーとメーカー、両者とのつながりがあるからこそできる支援活動です。
情報発信の工夫
私たちは街のペットショップには取り扱いの少ない大型犬との生活に便利なグッズを集め、情報発信を行っています。
メールマガジンの活用
盲導犬ユーザーの中には、音声読み上げ機能を活用してメールのやり取りをされる方もいます。
その為、情報発信に利用するメルマガでは、読み上げた時に分かりやすいような文面、読み上げミスが発生しない表現を心がけ、テキストを作成しています。
対面・電話でのご紹介
ショップにいらした際や、集会の場、お電話でのご注文など、直接犬グッズを紹介することがあります。
例えば、洋服の柄の説明をする際には、「全体の色、模様の入り方、模様の詳細」といった見た目や、使用方法をイメージしやすいよう工夫をしながら、スムーズにお買い物いただけるように説明を行っています。
「盲導犬ユーザーと盲導犬の支援活動」と一口に言っても、その内容は多岐に渡ります。
・盲導犬ユーザー、育成に関わるボランティアの皆さまへ向けた、犬との生活をサポートすること
・盲導犬が社会に広く親しまれ、関心を持っていただくこと
この中から、普段はあまりご紹介することの少ない「犬との生活のサポート」にスポットを当ててご紹介しました。
盲導犬ユーザーと盲導犬がより安心・安全に楽しく歩ける街を目指す為、引き続きの応援よろしくお願いいたします。
テキスト:通販部マネージャー 岩間