よく「人の食べ物を犬にあげちゃいけない」って言いますよね。
そもそもこれってなぜなんでしょう。
哺乳類だし一緒に暮らしてるし、犬も人もそんなに変わらないんじゃないの…?という気持ちにもなりますが、実はかなり違う生き物なんですよね。
お肉おいしい!!!!
犬と人間の食性の違いについて
「食性」とは、どのようなものを食べるか(広義では肉食、草食、雑食など)、またその捕食方法などを指します。
ここでは「どのようなものを食べるか」について説明します。
これ重要なので覚えておいてください!(テストに出ます!嘘です)
人間の食性について
人間はなんでも食べる雑食性です。なので肉類から穀類、野菜までかなりのものを消化できるようになっています。
さらに言うと民族によって異なります。
例えば日本人は古来から海藻を食べてきたので、世界でも数少ない「海藻を腸内で消化できる」民族だそうです。
一方で、日本人は牛乳などに入っている乳糖の消化が苦手な人が多いです。お腹がゴロゴロしちゃう人もいますよね?
「人間」という大きな括りではだいたい一緒ですが、民族によって細かなところが色々と違うわけです。
犬の食性について
おやつも美味しい(笑)
犬が「雑食」なのかはたまた「肉食」なのか…。
これについてはまだ結論が出ていませんが、「肉食寄りの雑食である」という意見が今は多数です。
もともと肉食だった犬が、長い年月を人と寄り添って生きていくうちに、人から与えられた様々なものも食べられるようになってきたのでしょう。
でももともと肉食なので、お肉が一番消化吸収しやすいです。
お野菜や穀類もある程度は消化できますが、得意ではありませんし、ものによっては消化吸収できないこともあります。
例えば草食動物を想像してみよう
では人と犬のお話からちょっと変わって、牛や馬をイメージしてみてください
牛や馬は、牛舎や厩舎の中で、枯れ草を食べていますね。
…。
……。
…………!!!!
よく考えてください!枯草ですよ!枯草!
枯草食べられます?
食べたくないし絶対に消化できないですよね!
羊さんたちのお食事風景です。
これを消化吸収できるってすごい。
つまりそういうことなのです。
ひとくちに四本脚の哺乳類(人間は二本脚ですが)といっても、その食性は実に様々で、身体の構造も違えば、腸内に住み着いている細菌も全く異なる、別な生き物なのです。
一緒に暮らしてるからついつい似てると思っちゃうけど…「全然違う生き物なんだ」ってことは改めて意識したいですね。
犬と人の身体は色々違います
次に人と犬の身体で違うところの一部を挙げてみました。
犬と人は腸の長さも違うよ
先に述べたように、人は雑食性、犬は肉食寄りの雑食です。ついでに言うと牛は草食です。
肉はとても消化されやすく、穀類などはそれなりに時間がかかり、草(牛さんたちが食べているような)が一番消化に時間がかかります。
牛さんが四つの胃袋を持っているのはそれぐらいしないと消化できないからです。
ですので犬は多くの野菜や穀類を食べると逆に胃腸に負担がかかってしまいます。
「人と犬はそもそも食べるものが違うから同じようには食べられない」ということです。
犬と人は必要な栄養素が違うよ
食性が違うということは、犬は肉から得られる栄養素が一番重要で、牛さんは草から得られる栄養素が一番重要ということになります。
また、犬は草食ではない代わりにビタミンCを体内で作れます。
人間は野菜を食べるので体内で作る必要がありませんね。
犬は汗をかかないからそんなに塩分は要らないよ
人間は大量に汗をかき、体温調節をしています。
そしてそれ以外の塩分は尿として排出します。
でも犬は汗をかきませんね。だから塩分を尿でしか排出できません。
なので人間のような濃い味付けのものを一緒に食べると腎臓にかなり負担になってしまいます。
…でも、塩分は生き物の体には不可欠な必須ミネラルで、ドッグフードにも必ずナトリウムは添加されています。
なので「まったくいらない」というわけではないです。
ですので、手作り食をされているような方は、あげるのはほんの少しで。
そして水分をたっぷり摂らせて不要な分は尿で排出しやすくしてあげると良いでしょう。
お水はたっぷり飲んでもらえるよう
工夫してあげましょう!
今回はちょっと珍しく犬の身体の中のお話をしてみました。
私たちはまったく違う生き物と暮らしているんですよね。
その個性を改めて認識して、また新鮮な気持ちで愛犬たちと向き合ってみてはいかがでしょうか。
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ミニピン×チワワのミックス、シェットランドシープドッグと暮らす。
愛犬とドッグスポーツやディスクの大会に出場し、決勝進出も多数経験。
アクティブな犬との生活を楽しむ。