「ここまでおいでー」みたいにならないようにしたいものですね…。
うっかりリードが手から離れて犬が走って行ってしまった…追いかけてもつかまらない!
雷の音に驚いてリードを引っ張り、首輪が抜けてしまいどこかに行ってしまった!
そんな「迷子犬」の話題が出やすいのが夏です。
この脱走/逸走について、なぜしてしまうのか、しないようにするにはどうしたらいいのかをまとめました。
一緒に考えていければと思います。
※すでにやっている方が多いと思いますが、知らない方・犬をこれから迎える方もいらっしゃるので、一通りのことをおまとめしています。
脱走と逸走、言葉の説明
このような状況を一般的には「脱走」と言うと思います。
脱走をネットで調べると以下のような説明があります。
だっ‐そう【脱走】
[名](スル)束縛されている場所から抜け出して逃げること。「集団で脱走する」「脱走兵」コトバンク より
一方の逸走、ちょっと聴き慣れない方もいるかと思いますが、このような意味です。
いっ‐そう【逸走】
〘 名詞 〙 逃げ走ること。また、コースからはずれて走ること。
コトバンク より
なんとなく似たような意味?という印象を受けますが、脱走は「どこか特定の場所、状況からから逃げる」こと。
逸走は「逃げて走る・逸れて走る」ことで、人にも使いますが、馬に特に使う言葉です。
ですので犬の脱走は実は一般的には「逸走」の言葉を使いますが、ここではわかりやすく併記することにします。
どんな犬が脱走/逸走しやすい?
まず「脱走︎/逸走を絶対にしない」という犬はいないと考えてください。
犬は様々なものにとても興味を示し、時には人の指示が耳に入らないほど興奮してしまうことがあったりします。
また恐怖でパニック状態になっても同様に人の指示が耳に入らなくなります。
脱走/逸走しやすい時
脱走や逸走の理由は様々ですが、一番多いのが「楽しくて興奮してる時」「恐怖で逃げ出したい時」です。
例えばいつもお散歩中に大好きなお友だちに会えるのを楽しみにしている愛犬は玄関から飛び出したがるでしょうし、玄関先によくオヤツをくれるおばさんがいる等も同様です。
逆に、お散歩中に怖い思いをしたり、突然大きな音(花火や雷など)が鳴ったりするとパニックになって逃げ出したくなります。
人間も一緒ですよね。
脱走/逸走しやすい犬種はあるの?
走るのが好きで得意な犬種は我を忘れて走りがちです。
とはいえ、しやすい犬種がないわけではありません。
走ることが得意(つまり好き)であるサイトハウンド系、セルフハンティングの犬種であるテリア系などは「自分の判断で走る」ということが強化されているので比較的脱走しやすいといえます。
逆に「人の指示で動く」ことを強化されている牧羊犬種やレトリーバーなどは脱走しづらいといえます。
でも過信は禁物。普段の接し方や育て方の影響や個体差が大きいですし、前述したようにどんな犬にもリスクはあるので「自分の犬も可能性はある」と考えておきましょう。
「人が大好き」と言われる犬種ですが、もちろん遊び方や状況によっては脱走します!
どんな時に脱走︎/逸走のリスクがあるの?
次に「脱走/逸走のよくあるケース」について説明します。
玄関の扉を開けた時、庭で遊んでいる時
これはとても多いケースですね。玄関の扉を開けたら愛犬が飛び出てしまった、庭で遊んでいたはずがいなくなってしまった、等です。
愛犬は開いた瞬間に、周囲の状況を見ることなく飛び出ることが多いので、事故につながりやすくとても危険です。
カラーやハーネスが外れてしまった時
通常ならリードでお散歩しているはずが、カラーやハーネスが不意に外れてしまうと、愛犬は「自分がリードから自由になった」ということが分かりますので、突然走り出してしまうことは少なくありません。
特に「人に追いかけさせて逃げる遊び」をする愛犬はなかなかつかまらずとても厄介なことになります。
花火や雷、苦手な環境でパニック状態になってしまった時
夏は迷子犬が増える季節です。それは花火や、突然の雷鳴で驚き逃げてしまうケースが本当に多いですよね。
花火はある程度予測できるのでいいのですが雷は突然来ることがありますから困りものです。
脱走︎/逸走をさせないために守りたいこと
脱走/逸走する環境を作らない!
お家の中やお庭にいる時はリードや首輪をつけていないと思います。ですので玄関などから飛び出してしまうんですよね。
一度飛び出した経験のある子は「飛び出したら楽しい、自由だ」という経験もしているわけですから、2度目も3度目もあると考えたほうが良いです。
ですので玄関にはゲートをつけてあげる、お庭の柵が低ければ高くするなど「絶対に越えられない」対策をする必要があります。
また玄関を開ける前に必ず玄関に来れないように扉を閉めるなどの対策でも良いと思います。
雷が怖い場合は天気予報を事前にチェック
雷でパニック状態になってしまう子は多いですよね。怖くて怖くてその場から逃げ出したくなる気持ちはよくわかります。
ですので天気予報を十分にチェックし、雷の可能性がある場合はお散歩を避けるなどの工夫が必要です。
また、地元の花火は事前にわかるので対策しやすいですが、移動中などに花火が上がると困りますね。
車で移動する場合などは愛犬が安心できる環境(クレートなど)を作ってあげることが重要です。
簡単ですが以下にクレートトレーニングの方法をまとめています。
カラー・ハーネスは抜けないものを
以前のコラムにも書きましたが、カラーやハーネスはすっぽ抜けるものがあります。
サイズ・種類などよく吟味して、そして愛犬の癖なども把握して選びましょう。
「人が追いかける」遊びはしない
できるだけ「一緒に」遊ぼう!
一緒に遊ぶと来てくれるようになります!
元来、犬は追いかけられる遊びが好きな子が多いです。ですので自然と追いかけさせるように誘導するケースがあり、知らず知らずのうちにやってしまってる場合があります。(私もやっちゃってました!)
愛犬には「来てもらう」もの。こちらから「行く」ことを減らしてみましょう。
トレーニングしよう!
特にトレーニングをしていない方は、この機会に簡単なトレーニングでもいいのでやってみることをお勧めします。
「マテ」と「コイ」ができればかなり脱走/逸走を防ぐことができますよ。
「マテ」で待ったらトリーツ、「コイ」で来たらトリーツ、を繰り返せばOKです。
詳しい説明は本コラムで改めて書こうと思います。(このコラムが長くなっちゃったので!)
脱走/逸走は交通事故などに遭い怪我することもありますので、そうならないよう飼い主側ができるだけ努力して防いであげましょう!
ミニピン×チワワのミックス、シェットランドシープドッグと暮らす。
愛犬とドッグスポーツやディスクの大会に出場し、決勝進出も多数経験。
アクティブな犬との生活を楽しむ。