犬のしつけって何歳まで?大きくなったらムリ?
カテゴリー:シニア犬, トリック・芸・遊び, 訓練・トレーニング
投稿日:2023年01月26日

犬のしつけは子犬の頃からやるのが理想です。
でもしつけをそれほど考えてこなかったという方もたくさんいらっしゃいますよね。
愛犬を迎えて楽しく暮らして、数年後からちょっと困ったことが出てきて「しつけしておけばよかった…」ということはたくさんあります。


大人になったらしつけしてもムダなの?というと…そんなことはありません!

犬は何歳になっても学習します!
まず大前提ですが、犬は何歳になっても、そう、シニアになっても学習する生き物です。


基礎トレーニングは愛犬との絆をつくる遊び。
食わず嫌いさんも基礎トレーニングやってみよう(笑)

犬は「ネオテニー」!

「ネオテニー」とは「幼児成熟」という意味で、子どもっぽさを残したまま大人になるということです。
これは、犬が人と一緒に生活を始める時に、人に懐いたり一緒に遊んだりする「可愛さ」を武器にしていたからなどと言われています。
いくつになっても遊びが好き、つまり学習能力は衰えないということです!

もちろん子犬の時期は人の子どもの時期のように様々なことをすごいスピードで吸収しますし、大人になると小さい頃ほどいろんなことを学習するスピードは遅くなります。
でも学習意欲は衰えないから大丈夫!

そういう意味では「犬は何歳までしつけができるのか」という問いには「一生できる!」という答えになりますよ。

しつけってそもそもどういうこと?

しつけとは「行動の習慣化」

犬のしつけの基本は「望ましい行動を習慣にすること」です。
例えば玄関の扉が開いても飛び出さないとか、ピンポンがなっても吠えないとか、知らない人に触られても噛み付かないとか。
こういうのは別に犬が「こうした方がいいな」って考えて行うのではなく、愛犬の行動になっているものです。

ゼロスタートとマイナススタートの違い

なぜ子犬の頃からしつけをした方が良いかというと、子犬はまだいろんな経験をしていませんね。ピンポンに吠える経験も、走る車を追いかける経験もしていません。
ゼロから経験を積み上げていくことになるので、望ましい行動を習慣にするのは比較的簡単です。

でも大人になるといろんな経験をして「困ったな」の行動が引き起こされます。
一度定着した行動を変えるのはマイナスからのスタートになりますから、子犬から行うよりもどうしても難易度は高くなります。

盲導犬の本格的な訓練は1歳から!

盲導犬は1歳まではパピーウォーカーさんに育てられます。
ですから本格的な訓練は1歳から!
1歳は若犬ですから物覚えは早いですが子犬ではありません。
パピーウォーカーさんの元にいる間で一番大切なのは「人が大好き!」になること。
もちろん基礎訓練は少しずつ行いますが、訓練よりも人とのきずなを育むのが最重要な期間です。
徹底的に「人が好き」「人と遊ぶのが好き」になることが盲導犬として一番大切な素質です。
そしてこれは家庭犬でも同じなのですよ!

成犬のしつけのコツ

これまでしつけをしてこなかった方は比較的、愛犬を自由にさせてあげているケースが多いです。
つまり愛犬は「飼い主に注目する」という習慣がないということです。
しつけは遊びと一緒で、愛犬と飼い主がつながって成立することなので、まずは遊びの中で飼い主さんとの関係性を深めていきましょう。

アイコンタクトをとれる子にしよう

これまでしつけをしてこなかった子に多いのが「飼い主さんに意識を向けない」子です。でもしつけは飼い主と愛犬のコミュニケーションで行われるもの。
アイコンタクトは人への集中の基本です。こちらの記事を参考にやってみましょう!

アイコンタクトって何?トレーニング方法を解説

しつけは楽しい遊び!人の指示を聞きやすい子にしよう

あまりしつけを行なってこなかった方は、まずしつけごっこをしましょう!

家の中で、お散歩中に…愛犬と遊ぶ方法はどんな時でもいくらでもあります!
お散歩はただ歩くだけではなく、遊びの要素を取り入れると本当に楽しくなります!

普段のお散歩に変化をつけて一層楽しくしよう!

一発芸なんかも本当に良いコミュニケーションが取れますよ!

人も犬も楽しい!一発芸、トリックのすすめ!

愛犬の楽しい遊びを探そう!

個体によって好きな遊びはさまざま。愛犬の好きな遊びを探しましょう。
問題行動の改善などにはこういった「大好きな遊び」を用いるのが効果的ですよ!

例えばこんな遊びはいかがでしょう?

おやつやおもちゃを手の中に隠して…

どっちだ?

うーん…

こっち!

こういう遊びは愛犬の狩猟本能をはじめとした様々な能力が必要とされ、また飼い主さんとコミュニケーションを取りながら行うので、とても楽しく満足度が高いです!

「困った」の行動を別な側面から見てみよう

愛犬の目的をすり替える!

問題行動を直すのは「やめさせる」のではなく「違うことをしてもらう」と考えましょう。
例えば冒頭で例に出した「ドアを開けたら飛び出してしまう」子は「ドアを開けたらトリーツが出てくる」ようにするとドアから飛び出すことをしなくなります。
つまり「ドアが開いたら別のいいことがある」と認識すれば飛び出さなくなります。
ドアが開くことに愛犬が執着していてなかなか難しい場合は、愛犬がご飯を食べている時にかすかにドアを開け閉めするなどほんの小さな刺激から始めましょう。

強い刺激は距離を置きながら行いましょう

例えば「他の犬に激しく吠えてしまう」などの場合は犬に気付くと我を忘れて吠えてしまうケースがあります。
この場合はかなり強い刺激になっているので、愛犬に刺激がない程度の距離、例えば「他の犬がわずかに見える状態でトリーツをあげる」などの方法を行います。
「これって本当に効果出てるの?」って不安になるぐらいで大丈夫!
毎日根気強くほんの少しずつやってみてください。
愛犬が他の犬に気付いても、意識をこちらに持ち直してくれれば成功していますよ!

「もう成犬だから」「シニアだから」とあきらめず、少しずつコミュニケーションの方法を模索しながら愛犬との関係を改善していきましょう。
そうして効果が出たときの喜びは何物にも換えがたいです。
愛犬との毎日のしつけ遊び生活、楽しみましょう!!

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web担当成井のプロフィール写真

テキスト:web担当 成井徳子
ミニピン×チワワのミックス、シェットランドシープドッグと暮らす。
愛犬とドッグスポーツやディスクの大会に出場し、決勝進出も多数経験。
アクティブな犬との生活を楽しむ。

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